第204回マジック仏滅会報告

出嶋 美千子

(開催の経緯)

  本年2月の記念すべき201回目の仏滅会で大川一夫氏が「シャーロック・ホームズとメンタリズム」という発表をされた。その時、得意のマジックの披露があり大変好評であった。メンタリズムがマジックの一つと考えるなら、マジック観賞も意義がある。そこで、プロのマジックを見る話があがり、7月6日(土)に例年より1回多い特別な仏滅会を開催することとなった。

 大川さんご自身が幹事を引受け、筆者は副幹事としてお手伝いをした。

1部(午後1時〜4時・パブ・シャーロック・ホームズ)

 さて仏滅会となるとマジックだけでは終わらない。ちゃんと発表は用意されてい

た。まず、幹事の大川氏ご自身から「『妖術の開示』のコナン=ドイルに与えた影響」という発表があった。

  大川氏は、世界初の奇術の種明かし本である『妖術の開示』が1886年に復刊されたことに注目された。この本では、魔術のトリックを暴きながら、他方、白魔術は信じていたそうである。コナン=ドイルはホームズという合理的な考えの持ち主を生みだしたが、一方では心霊術を信ずるようになる。このことから、ドイルがこの本を読んでいて、影響をうけたのではないかと考えられるという説であった。ただこれは仮説であって、事実にする裏付けがないそうである。会員が叡知を出し合って裏付けが発見できればすばらしいことだろうと思った。

  次はテイータイム、近況報告、情報交換と続き、二つ目の発表「英国海峡沿い西部地域の魅力」に入った。

 発表者の後藤清作先生はイギリス文学研究家で、遠く名古屋から来て下さった。先生のお話はわかりやすく、年に1回くらい仏滅会に来て下さるので楽しみにしている会員もいる。

 今回は、イギリス王室の原点となる王国のあったWessex、英国南西端の半島Cornwall の有名地、Dorchester, Exeter, Torquay 等をあげ、その文学的魅力や歴史を話してくださった。

Brixhamと名誉革命、Plymouthと清教徒革命の関係は興味深かった。もちろん、ホームズ物語に出てくるPlymouthやPoldhu Coveにも言及があった。

 発表終了後はパブで各自食事をとり、マジックバーへ移動した。

2部(午後5時〜8時・マジックステージ106)

  北新地のマジックバーと聞いていたので、どんな所? とドキドキで大川氏の後に続いた。しかし場所は、地下街から出てすぐ、国道沿いのビルの地下という場所であった。(美人ホステスが接客する世に言う北新地の雰囲気はない。マジックを楽しむ店である。)

 客席40席の前方にはマジック用の小さな舞台があった。

  早めに着いた我々は好きなドリンクを楽しみながら待っていたが、その間、テーブルでマジシャンがカードマジックをしてくれた。眼前で舞うカードのトリックを見破ろうと皆が目を皿のようにしていたのだが、誰も見破れなかった。力を入れすぎて楽しさより疲れが勝ってしまった。

 ショーは約50分。笑いを誘う巧みな話術(これもトリックのひとつか・・と疑ったり)とマジックで時間はあっという間に過ぎてしまった。最後にはグラダナ版のホームズのテーマ曲が流れるなど心憎い演出もあり、大満足のショーであった。

  この日は、森川さんが新著『一つ屋根の下の探偵たち』を持参され、サイン入りで希望者に頒布していただいた。また有志で三次会も開かれた模様である。

〔参加者〕

大川 一夫  田村 朋子  渡辺利枝子

平賀 三郎  翠川こかげ  出嶋美千子

西田 千穂  外海弘美子  福島  賛

後藤五百合  後藤 清作  森田由紀子

真下 庄作  森川 智喜  山田  誠

久木元理恵子 見吉 時枝

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