第205回仏滅会報告

 西浦 寛

 2013年8月10日(土)飛行機代もかからず東南アジアの暑さが味わえる大阪で、205回仏滅会が開催された。

場所は、大阪市中央区ヴィアーレ大阪。船場のど真ん中、第201回仏滅会を開いた日本綿業倶楽部とも近い。商都大阪の中心部にそびえ建ち、設備もなかなか良い所から選んだものである。

 お忙しくてなかなか参加していただけない大物参加者は、大川一夫会員、中村哲郎会員、中尾真理会員、遠来の参加者は新野英男会員。

 大川さんは、ご存じのとおり京大ミステリ?研究会の創設者で、当クラブの森川智喜さんをはじめ多くの推理作家が育ってゆく基礎を築いた方である。

さる7月の仏滅会でも自ら幹事と発表をされ、引き続き、8月の仏滅会にもご多忙の合間を縫って参加していただいた。

 中村さんはワトソンの同業者であり、ホームズ物語を読んでもさぞ、我々素人にはわからない奥深い観察をしておられることであろう。医学系の発表は新野さんや渡辺さんの独壇場であるが、いつか中村さんにも高説をお伺いしたいものである。

 中尾さんは、今回ジェイムズ・ジョイスに関する発表をしていただいた。オスカーワイルドにも関心をお持ちで、アイルランドがよほどお好きなのでしょうか。

 やはりお顔を見せていただいた長谷川明子さんはフランスにも造詣が深くかわいいお孫さんにも恵まれ、娘さんのお婿さんも某花形職業であるエリート一家の方である。プラスとプラス同士が魅かれあうとこのような賢い人だらけの家族になるようです。

 毎回、遠来の参加者である新野さんは、なんと10月にも発表を予定している。6月例会にも出席しているため、今年度80パーセント以上の驚異の出席率である。薬学関係のお仕事で大阪道修町にも多くの薬品メーカーがあるので、副業で関西に常駐し、関西支部をますます盛り上げてほしいものだ。

 開会まで本日付のWEJ428号の発送作業。紙面には関西支部に参加している会員の5人の方が、出版された本の話題が掲載されていた。硬軟とりまぜてテーマもいろいろ、本当に多様多才な方々が集まっているものだ。

  最初の発表は、ロンドンシャーロックホームズクラブ会員でもある眞下庄作さんによる「ストランドマガジン」よもやま話。すでにスコットランドヤード研究やブラックミュージアムなどの発表をされ、今回は海外から入手されたストランドマガジンについての文献に基づいた研究である。A4サイズ9ページの詳しい資料を配布いただいた。ホームズの作品が社会現象と言われるほど、爆発的に売れたのは、ドイルの才能もさることながらストランマガジン社の編集手腕によるものが大きいことがわかった。

 ティーブレークの後、平賀代表から「ウエストホームズ利用案内について」の確認の発言があった。世上では匿名も良いことにした荒らしや、誹謗中傷はよろしくない。といって「〜〜べからず」といった細かなルールを定めるのもおかしい。そこで最低の基準を整理してWEJ428号12面に掲載した主旨が述べられた。

近況報告をはさんで、中尾さんの発表である。

 ジョイスの作品は難解なので、今まで読んだことがなかったが、不条理なストーリー展開は、夢の遊民社の野田秀樹を思い出した。野田秀樹など前衛的な演劇は、ジョイスがはしりなのだろうか。同世代人のコナン・ドイルとジェイムズ・ジョイスの共通点や相違点からはじまり、文例も示した説明があった。

 幹事があまり深く考えていなかったので、二次会は暑い中にさらに熱い囲炉裏を囲んでの焼肉食べ放題である。にもかかわらず値段が張る分、結構おいしい肉だったので、参加者の皆さんには好評であった。何より二次会場がすぐ前だったのも好評の一つであった。

[仏滅会出席者]

大川 一夫  渡辺利枝子  田村 智子

平賀 三郎  翠川こかげ  西岡 知恵

見吉 時枝  中村 哲郎  新野 英男

福島  賛  中尾 真理  山岡  斉

真下 庄作  西浦  寛  長谷川明子

大島 洋子  山田  誠

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