第244回神戸仏滅会報告

篠田 典子

2019年6月8日(土)、神戸の御影公会堂で第244回仏滅会が開かれた。昨年度の御影公会堂での開催が大変好評だったので、今年も引き続き同会場を使用した次第である。会場となった301号室には、ホームズゆかりの写真などが多数展示された。なお、これらの写真はオークションの対象になっており、希望者による入札も同時に行われた。こうして令和最初の仏滅会は華やかな雰囲気で始まった。

さて今回の1つ目の発表は、吉本研作さんの「名探偵が多すぎる」である。吉本さんと言えば、毎回あふれんばかりの想像力と創造力で、見たことのないようなホームズグッズを披露されている。今回はホームズ以外の探偵もたくさん紹介されたのだが、その流れで『マルタの鷹』のお宝「鷹の像」(実物大?)が回覧で回ってきた。大きな黄金(?)の鷹の像である。また、配られた資料の「御負け」には、浮世絵タッチのホームズ画があった。これらの"作品"が、参加者の目を釘付けにしていた。世界中のシャーロキアンの中で文章でパロディーを創作する人は数多くいるが、吉本さんのように"ブツ"でパロディーを作る人はそう多くはあるまい。今回も楽しませていただきました。 

ティーブレイクのあと、自己紹介・近況報告が行われた。今回も初参加の方あり遠方からの方ありで、みなさんの近況を興味深く伺った。渡辺利枝子さんからは、映画『名探偵ピカチュウ』仕様のディアストーカーをかぶったピカチュウのぬいぐるみが紹介された。これも回覧で手元に回ってきたのだが、大きなぬいぐるみを大人たちが手に取ってじっと見ている様子が、何とも言えず微笑ましかった。おそらく私も微妙な笑顔で、ピカチュウをじっと見ていたことだろう。意外にかわいらしいぬいぐるみだったので、今回の参加者の中に後日購入した人がいるのではないかと推測している。

後半2つ目の発表は、新野英男さんの「医学雑誌から学ぶホームズ学」である。ホームズ好き英国好きタイプには文学畑の人が多い分、肝心の法や警察、医学方面には疎い側面がある。自分で医学雑誌を読むことがない私には、とても興味を引かれる発表だった。特に、医学雑誌『ランセット』に1890年に投稿された"IRENE"と名乗る人物からのコカイン患者の相談は、ホームズネタとしか思えないような偶然(?)で、大変おもしろかった。コカインは昨今世間を騒がせており、またたやすく目にするものでもないので、どなたも興味津々だったようだ。こうして一次会は和やかに終了し、二次会の焼き鳥屋へ移動した。

御影公会堂開催の難点は、近くに適当な二次会用のお店がないこと、今回見つけたお店は参加者にも好評だった。幹事としてはほっとしている。毎年神戸の仏滅会はこのパターンで行こうかと考え中なので、今回参加できなかった方で関心を持たれた方は、来年お越しいただければと思う。

 

ぴかちゅうぬいぐるみしゃらくホームズ

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