7月の話題「ホームズの本棚@追分油屋」開催さる7月30日(土)から8月7日(日)に、ホームズ像が立つ軽井沢追分の旧油屋旅館 で、本のまち軽井沢の夏の行事として「ホームズの本棚@追分油屋」が開催された。 このイベントは、ホームズ本約1000冊を一括入手した追分の古書店追分コロニー が、JSHC関西支部と追分フォーラムの有志の協力を得て催したもので、追分コロニー が入手したホームズ本をそのバラエティの広がりを展示した。加えて追分フォーラム の中島粂雄校長が提供したグルーズの絵、関西支部の平賀代表が提供した京都市清水 コレクションや神戸市南谷コレクションの逸品、ヴィクトリア朝時代のロンドンの地 図、世界のホームズ像やロンドンのホームズゆかりの地のパネル、事件簿の名場面の パネル、関西支部の真下庄作さん提供の英国と米国で発行された《バスカヴィル家の 犬》が掲載されたストランドマガジン、クラブ主宰者東山あかねさん提供の岡山の斉 藤貞子さんんが描いたホームズとワトソンの肖像画やベイカー街通信のファイル、関 西支部の久武正則さん提供のホームズの洋書など、追分コロニーのコレクションを補 う多様な展示が見られた。 特に追分ゆかりの延原謙氏についてはミステリー雑誌『宝島』に掲載されたミステ リークラブの作家達が追分の延原別荘「ホームズ庵」を訪問した記事、事件簿60編を 初めて全訳した月曜書房発行の全集、これを改訳した新潮の全集、新潮文庫の全集を はじめ、多数が展示された。また中西裕さんの延原謙の評伝も展示即売されていた。 7月30日(土)の初日には、平賀三郎、鈴木利男さんによるトークイベント「ホー ムズは生きている」が行われ、追分の別荘族など主として地元の人々約30名出席のも とにホームズの楽しみについてトークした。 また期間中の何回か、高崎市の鈴木利男さんと佐久市の小林真理さんがシャーロキ アン解説者として見学者に展示物の解説を行い、来場者の理解を深めた。 また藤巻軽井沢町長、塩川軽井沢町長図書館長、映画監督の崔洋一氏、地元追分会 の役員方なども顔を見せた。 作家の延原謙氏が夏の追分で文筆にいそしんだのがご縁となり、関西支部の故松下 了平さんが「日本でホームズの記念物を作るのなら追分が最適」と『熟考シャーロッ ク・ホームズ』で提唱し、小林司さんが心血をそそいでホームズ像が建てられた。こ の追分の地で、地元の主催でホームズの文化行事が行われたことはまこのに意義深い ものがある。 |