2月の話題

森川さん講談社BOXから2冊目のミステリー出版

 京都大学推理小説研究会出身で、関西支部会員である新進ミステリー作家の森川智喜さんは、2月1日に講談社BOXから、書き下ろしのミステリー『スノーホワイト、名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ』を出版した。

 すでに、名探偵三途川理(さんずのかわ ことわり)シリーズの第1作『キャットフード、名探偵三途川 理と注文の多い館の殺人』を出版してミステリー作家デビューを果たした森川さんによる新作である。

 登場人物は、襟音ママエ(本名マルガレーテ・マリア・マックアンドリュー・エリオット)という女子中学生の私立探偵、白雪姫の話でもないが、グランゼー・イングラムというママエの助手である小人。緋山燃という私立探偵、天才探偵三途川理、ダイナ・ジャバーウォック・ヴィルドゥンゲンという后などである。

 「ドドソベリイドンドベリイ! 鏡や鏡! あの人がどうしてここに来たか、教えてちょうだいッ」と鏡に向かって呪文を唱えると、千の目をもつ何でも教えてくれる不思議な鏡を持ち、ちいさな探偵事務所を営む14歳のママエ、自分の頭ではまったく推理せず、鏡の力に頼りきりの探偵である。

 「第一部が襟音ママエと事件簿」、第二部が「リンゴをどうぞ」の二部構成、「魔法と探偵が出逢うとき、完全犯罪の幕が上がる」「2013年大注目! 奇想の新鋭・森川智喜が放つ、知恵と勇気の探偵小説」と読者に呼びかけている。「鏡や鏡」と呼びかける白雪姫のフレーズと共に赤毛の青年探偵や「探偵事務所は閉鎖しました」との玄関の貼り紙など、シャーロキアンもニヤリとさせられる。

 挿絵は平沢下戸さん。ジュニア向けの絵筆を振るっている。

 名探偵三途川シリーズの第3作として、本年夏に『踊る人形、名探偵三途川理とゴーレムのEは真実のE』の出版が予定されている。

 京都大学推理小説研究会からは、数々の作家が育っているが、今後の活躍が期待される。

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