8月の話題

 望月麻衣さんの新作に関西支部登場

関西支部に入会し、2月21日の記念仏滅会に出席された京都在住の作家望月麻衣さんは、『京都寺町三条のホームズ』シリーズのライト・ミステリをすでに4作発表している。
 このたび、8月7日に第5集『京都寺町三条のホームズ・5 シャーロキアンの宴と嵐』を出版した。「春の古都は嵐が吹き荒れる!? はんなり事件簿第5弾」とあるとおり、京都と京都人が主役である。寺町三条のホームズと呼ばれるのは、家頭清貴。家はホーム、頭はズでホームズとよばれる。寺町三条にある骨董品的「蔵」の息子で京都大学大学院生、物腰は柔らかいが名前の語呂合わせだけではなく、観察力・推理的能力には高く隠された事実を名探偵ホームズ同様に鋭く見抜く。シリーズには骨董的でアルバイトしている女子高校生真城葵も登場する。
 第5巻には「桜色の恋文」「シャーロキアンの宴」「紫の雲路」「茜色の空に」の4章が採録されている。「桜色の恋文」は一幅の桜の絵から恋の行方をホームズ君が推理するが、この第2章が注目される。
 望月さんが221記念仏滅会に参加され、世の中で「先生」とよばれるような人々が、シャーロキアンとなると瞳は少年のようで、ユーモアと遊び心に溢れている有様を「観察」され、「この会のことを小説に書きたい」と思ったのがきっかけである。
 小説では、関西支部は略称WSHC「ウエスト・シャーロック・ホームズ・クラブ」の名で登場する。登場者は、イニシャルがSHである東浦広志、受付役の明石藍美、東間弘子、会場の間宮家のアヤシイい執事で着物姿の西澤知恵、シャーロキアン同志で結婚した内海夫妻、弁護士の大河原、アメリカから帰国した指原教授、WSHC会長の平岡、京大病院勤務の松田健、ロンドンホームズ・クラブ会員の真壁などが登場する。この誰が関西支部のどなたであろうか。望月さんは登場者にモデルとなることの了承は取っている。
 宴たけなわの時に、踊る人形が現れ、重要文書が盗まれる。もちろん家頭ホームズ君によって見事解明される。
 この本は「Eエスプリタ」で見ることができる。この投稿コミュニティには190万以上の投稿作品が載っており、無料で読み放題。望月さんも投稿し、その中から双葉文庫で書籍化されたもの。第四回京都本大賞にもノミネートされている。

戻る

inserted by FC2 system