10月の話題

美しい日本語はどこに

 

岩波書店が行った「日本語力調査」によると、美しい日本語に危機感を持ち、正しく美しい日本語を身に着けたいと考える人が86%に上っていると明らかになった。日本語の言葉遣いに対する社会の関心が弱まっていると考える人も79%に上っていた。どうも、自分の日本語力に自信がなかったり、一般に通用している日本語に違和感を持つ人が多いゆである。

 つねづね、料理番組などで、一口だけ口に含んだところで芸人が「うめエ!」と絶叫するシーンがある。一口を含んだだけで味がわかる超能力を持っているとは思えないし、絶叫する以外に美味しさを表現する話術や日本語表現を持ち合わせていないのかと感じる。番組作成者も、この極端な芸以外の演出方法を知らないのであろうか。要は番組の時間に縛られた美しい日本語かどうかを問わない軽率な演出であり、演技であると思わざるを得ない。

 調査によると、普段自分が使う日本語への自信について、「ある」と答えた人が36%、30歳代では27%にとどまった。「日本語の乱れ」についてもいろいろと原因がありそうである。国語教育が至らないのか、本を読まなくなったのか、「読む」よりも「見る」本であるコミックにとどまっているためか、料理番組に限らず、TVに登場する芸人の安易な言葉遣いや番組制作者の簡便な演出から受ける印象や自覚にも通じているのであろう。

 普段自分が使う日本語について30歳代の人が27%にとどまっているのは、30歳代の人に日本語に対する苦手意識を持つ人が多いのは、どう解釈するか。一定の社会敬遠を積んだところで、公用や社用で書いたり話したりする機会に自分の日本語のスキルに頭を打っているのかもしれない。

 ただし、さすがに岩波書店の調査である。日本語を学ぶために何を使いたいかとの間には「書籍を読む」が58%、新聞を読むが35%、辞書を引くが27%であった。インターネットで調べるは21%にとどまった。

 読書家の多いシャーロキアンには心配ないことであろう。

  

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