6月の話題

 

先輩シャーロキアンが後輩に残したもの

 

 昨年11月に発行された本紙WEJ493号で、「シャーロック・ホームズ本紙上オークション」として、ホームズ本39冊が実施された。「平成30年の年度末にあたり、故南谷さんをはじめ、引退された清水武彦さん、故寺杣伊左衛門さん、それに平賀三郎さんも重複本を拠出した。なお、落札のなかった本の内から大阪府立図書館で所蔵していなかった8冊を寄付している。

 また本年1月1日発行の495号で、新春特別オークションが行われた。出品は、長沼本・鈴木本が4冊、スペイン語ホームズ全集(全10巻)、パシフィカ発行の阿部知二訳ホームズ全集(別巻のSH事典を含め7冊)、ベアリング=グールド編・小池滋監訳注釈付全集全21巻、小林司・東山あかね訳SH全集全9巻、その他の単行本26冊であった。先輩シャーロキアンが集められ、ご逝去や引退に際して後輩シャーロキアンに残された貴重な本が多数含まれ、中には現在では入手不可能なものも数多く、その多くが必要とする後輩シャーロキアンに引き継がれていった。

 この中には、ホームズ研究三種の神器と称される研究書の元祖である長沼本や鈴木本、パシフィカの全集の別巻として発行されたジャック・トレーシーの事典、ベアリング=グールドの注釈付全集が含まれていた。

 そして今回、7月発行の501号でリストが公開された。

 ?類は写真及び絵画で、追分フォーラムで展示されたロンドン、スイス、エジンバラ関係の額装写真や絵画22点、?類はSH原画大全をはじめとする専門的なホームズ本、変わった所ではクリスティーズのドイル文献のオークションリスト、ダートムーアのハイキングガイド、江戸川乱歩著『探偵小説の謎』など、先輩シャーロキアンが後輩に残された各種ホームズ本や資料が44点、?類のその他のグッズでは2008年の神戸大会の記念品であるクリスタル形のホームズキーホルダー、221回仏滅会記念品である221?入りビアジョッキ、ロンドンホームズ協会作成のベーカー街のホームズ像除幕式のビデオテープなど、おいそれとは入手できない品が数多く含まれている。

 今回で、先輩シャーロキアンが残した書籍は、その大部分が後輩に譲られることとなる。自室にホームズ関係の写真を掲げ、書棚にホームズの文献を揃え、それも所蔵するだけではなく活用して新しい研究を進め、一生の趣味として豊かな楽しみのホームズ生活を過ごすこととなれば幸いである。

 またこれこそ、関西支部に蔵書を託された先輩シャーロキアンの念願でもあったことだろう。

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