6月の話題

遷都1300年の奈良で仏滅会

 JSHC関西支部第183回の仏滅会は、6月5日(土)に奈良遷都1300年の記念行事が行われている奈良市で開催された。

 昨年末に決められた年間行事予定では、本年も2月21日に奈良で開催することとしていたが、この日が新作ホームズ映画の試写会が神戸で開かれることなった。

 そのために、奈良での仏滅会終了後、近鉄と阪神の直通電車で揃って神戸へ駆けつけようか、などと関係者で相談していたが、2月は神戸市在住の林庄宏さんに幹事をお願いして神戸、6月を奈良市在住の渡辺利枝子さんの幹事で奈良で開くと変更したエピソードが秘められている。

 あたかも奈良は新緑、仏滅会に先立って奈良公園を散策して鹿と遊んだり、復元された平城宮や古寺を歩いた参加者もあったことだろう。

 正典に唯一登場する日本の建物である正倉院は、会場の奈良県婦人会館から東北に歩いて10分ばかりの所にある。しかしここは宮内庁というお役所の施設、土曜と日曜はお休みのために入れない。わずかに垣根のすき間から庭の木々を透かして校倉造りの建物の一部が眺められる程度なのだが訪れた会員は居るのだろうか。

 また正典に唯一登場する日本の人名である聖武天皇の御陵が会場から北へ歩いて10分がかりの所にある。佐保川の橋のたもとの道路に面した入口に宮内庁の看板が建ち、正式には「佐保山南陵」である。一直線に北の山すそに続く参道が通じている。御陵は山すその一段登った所にあり、仁徳天皇陵のような広大な前方後円式のものではなく、小さな山陵である。東大寺を建立し大仏を鋳造し、各国に国分寺や国分尼寺を設けた天皇である。右後方にも山陵があり、こちらは聖武天皇の皇后光明皇后陵である。悲田院を設けたことで知られている。双方とも清々しく保たれている。

 昨年の会場は中尾真理さんのご配慮で奈良大学の研究室、2月21日に幹事の渡辺さんと見吉時枝さんの221号ナンバーのマイカーで最寄の高の原駅から大学まで送迎していただいた。JSHCならではの楽しい趣向があった。

 本年の仏滅会は、2月が21日の新作ホームズ映画の試写会を二次会として神戸で開かれた。4月は桜花爛漫の京都で二次会はアイリッシュパブであった。8月は重文の建物の大阪中之島中央公会堂を会場とし、周辺の近代建築見学やグルメ二次会が計画されている。毎回、研究発表や情報交換はなかなか充実している。10月はどんな仏滅会が計画されるだろうか。

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